ユニバーサルデザイン

仕事のある事業の下見で旅行に行きました。高齢者、障害者などを外に連れて行くとき、ネックとなるのはトイレ問題。

先輩や上司がトイレトイレと騒いでいて、どの見学場所でもまずはトイレ、サービスエリアでもトイレ、お昼の会場でもトイレトイレトイレ。

トイレばかりを気にする先輩、上司、同僚。10人近い大人がそろいもそろってトイレの写真を撮る姿、改めて考えると異様。

だけど、改めて社会がいかに不自由にできているかを実感しました。

なんでここに段差があるの?たった数センチの段差のために高齢者や障害者は、遠回りする必要があります。

比較的新しい施設なんかは、そんな障害者や高齢者が使いやすいよう設置された多目的トイレが充実していたりします。

のにもかかわらず、そのトイレに行くために段差があるとか。そのトイレに行くためにその段差さえなければ遠回りしなくて済むのに、とか。

だからといってその段差をわたしたちが勝手に削るわけにはいかないし、結局介助して遠回りするなり、段差を無理して越えるなりするしかない。

世界が想像しうる以上に、小さな段差が大きな障害を生んでいた。

 

最近ではオリンピックなどの影響もあり、ユニバーサルデザインの認知度もかなり上がったのではないでしょうか。

一口でユニバーサルデザインと言っても、左利きでも使いやすいはさみ、弱い力で持ちやすい磁石、安全性のある画鋲、誰でも使えるトイレ、みんなが見やすいフォント……などさまざまです。

ここでわたしが一番好きなユニバーサルデザインを紹介させてください。

https://www.city.gifu.lg.jp/secure/6249/eki_1.jpg

え?なに?どこが?

今そう思いましたね?そうだと思います。ただの当たり前の駅のホーム。

だけどこれ、誰も遠回りしなくていいんです。足が不自由でも、階段が登れなくても、登れても、みんなが同じ場所から乗って、同じ場所に帰ってこれる。

意識して町の中を歩いてみると、先に話した段差みたいに、スロープを通るには遠回りをしなくちゃいけない、エレベーターの位置が分かりずらい、などあると思います。

案外、キャリーバックを引いて歩いていると少しだけ、気持ちわかると思います。

昔に比べたら、もちろん街の中にユニバーサルデザインは増えました。でも、小さな段差が予想以上に大きな障害を生んでいること、1人でも多くの方に知っていただけたら、少しずつ町も変わっていくのではないかな、と思います。