24歳になって見る魔女の宅急便

金曜ロードショー魔女の宅急便がやっています。

わたし、ジブリ映画がめちゃくちゃ好きな一家なんですけど、トトロから始まり、魔女の宅急便耳をすませば千と千尋の神隠し、平成たぬき合戦ぽんぽこ、思ひでぽろぽろ、ナウシカラピュタ……幼少期から、上げだせばキリがないくらいたくさんのジブリ映画を見てきました。

その中でも一番好きなのが魔女の宅急便

本当に大好きで、小学生の頃に原作を読破して、中学生になったらにしんとかぼちゃのパイ、ミルク粥を手作りしました。

高校生になってからしばらく見る機会がなかったけど、でも未だに大好きな作品であることに変わりはありません。

簡単にあらすじを説明すると、主人公キキは魔女です。魔女のおきてで、13歳になったら独り立ちして、魔女のいない町で1年間生活しないといけない決まりがあります。独り立ち先の町で空飛ぶ宅急便として仕事を始めます。

13歳の小さな魔女が、誰も知らない町で恋に仕事に奮闘する…そんなストーリーです。

子どもの頃は13歳…なんて現実味のない年齢で、すごく大人に見えましたが、今考えると、10も年下の子どもです。中1です。うちのしたのきょうだいよりも年下、親戚の子と同い年。

ましてや自分の子供が…と考えたらゾッとします。

魔女の宅急便の最初のシーンで「電話を引くのにいくらかかるかしら…」や、買い物でレジの表示を恐る恐る確認するキキのシーンがあります。

生きるためにはお金が必要だし、それは13歳だろうと、魔女だろうと変わらない。

そんなシビアなシーンの他にも、魔女であるキキには服のしきたりもあります。

魔女の服は昔から黒って決まってる…黒猫に黒服で真っ黒黒。そんなキキと母親の出発前のシーンです。

「せめてコスモス色ならいいのにな」

「キキ、そんなに形にこだわらないの。大切なのは心よ」

「わかっているわ。心のほうは任せておいて」

納得したように母親の前でそういうキキですが、新しい町でカラフルな色の洋服を着た女の子たちをうらやまし気に眺めたり、ショーウィンドーをじっと見つめたりします。

そんなタイミングでトンボ(空を飛ぶのが夢の町の男の子)に

「魔女子さーん!」

「な?本当に黒い服着てるだろう?」

なんて声を掛けられます。しかも、同年代の仲間たちと楽しそうに。こっちは明日のごはんの心配をしているのに。

キキはトンボにずっとつっけんどんな態度を取っていて、子供の頃はそれが不思議だったのですが、今考えれば当たり前です。

奨学金を借りて毎日バイトをしてなんとか大学に行っている大学生が、親の金でバイトもせず遊んでいる大学生をみたらいやな気持になるのと同じだと思います。

トンボは空を飛ぶことに憧れていて、魔女のキキのことを羨望のまなざしで見続けています。

その逆に、キキはトンボのように好きな服を着て、同年代の友達とあたりまえに遊びまわれることを羨望のまなざしで見ることになるのです。

結局お互いないものねだりなわけですが、そんな思春期のもやもやが、いとも簡単に書かれていることに今更気づきました。

ただ空飛んでわくわく!なんていうのではなかったのですね。

そんなキキも、いろんな経験を通して、

落ち込むこともあるけれど、わたしはげんきです。

と両親に手紙を送ります。

自分なりに魔女としての付き合い方や、周りへの嫉妬や自分との違いを受け入れたのではないかな、と思います。

魔女の宅急便、やっぱり一生大好きな映画です。