妊娠検査薬にわくわくする

予定日を過ぎても生理がこなかった。

というのも、何度もこのブログでも言っているが生理不順だ。

予定日(というほど予定していない)を過ぎてしばらくしたので、そろそろ本格的に妊娠も視野に入れて病院に行かなければならないぞ、と思い友人に相談したところ、検査薬を使ってみたらどうかと提案された。

なるほど、考えてもみなかった。

妊娠検査薬…なるほど。面白れぇ。

ということで仕事帰りにさっそく妊娠検査薬を買いました。

買ったのはなんか500円くらいの安いやつ。1000円くらいするイメージだったので、それだけ買うのもなんだか気恥ずかしくて、一緒にこんにゃく畑のレモン味を買った。

「袋は有料になりますが御入用ですか?」

「いりません」

と言ってこんにゃく畑と妊娠検査薬を片手に持って家に帰った。

帰路の途中で、紙袋に入れるくらいデリケートな商品ではなかろうかと思ったがまあいい。

家に帰って着替えるや否やトイレに駆け込んで箱を開ける。アルミの包装を開くと、よく見る妊娠検査薬が出てきた。る。14歳の母で見たやつだ!ともうこの時点でわくわくが止まっていない。

不謹慎だと言われるかもしれないが、わくわくしている。

地震が起きても、台風で近所の川が氾濫してもわくわくするような人間だ。いまいち自分のことを自分事として世界を考えていない。

説明書を熟読した。

体温計のような形で、片方を引っ張るとキャップになっていて、綿棒を太くしたような紙芯が出てくる。

使い方は簡単で、おしっこを紙コップか何かに出して、そこに紙芯を漬けるらしい。

紙コップがなくて焦ったが、静岡土産にもらったお菓子のプラカップを使った。

衛生観念が壊れているので、普通のコップに出す手前まで行ったが、さすがに水を飲むたび妊娠検査薬のことを思い出すのは嫌だった。

わくわくしながらさっそく出したおしっこに芯を漬けるとじわじわと検査窓に線が浮き上がった。

不謹慎だが、ここまでめちゃくちゃわくわくしている。意味がわからない。人生が終わるか始まるかの瀬戸際に、わたしはわくわくしていた。

しかも、父親候補はセフレか、セフレのきょうだい(既婚)だ。

我ながら文章にして改めて読むと頭がおかしすぎてびっくりしてしまう。

検査の結果は呆気なく終わり、窓に線が浮かび上がらなかった。線が浮かび上がらないということは陰性らしい。

それでも心配で、しばらく放置してみたが、やっぱり線は浮かび上がらない。心から安心した、というよりは、ほらね、みたことか。といったところだった。

安心半面、正直わたしがこんな心配をする境地に立ったのかということの面白さのほうが勝った。おもしろすぎる。

高校まで喪女すぎて、大学でも一つもモテなくて、人生で彼氏ができたのは1度だけ。2二十歳を過ぎても処女だったのに、今や父親が誰かわからない子の妊娠を心配して、検査薬を片手に持っている。

人生なにがあるかわからない。おもしろすぎる。

妊娠してなくてよかったな。