あっち側に行けない

ディズニープリンセスが好きだった。

中でもシンデレラやリトルマーメイドが好きだった。

テレビの中のプリンセスは、優しくて勇敢で誰からも愛されて綺麗であこがれの存在だ。

ただ、幼少期からあこがれているのに、わたしにとってのプリンセスはいつでも“あっち側”で、悪役のアースラや意地悪な義姉は”こっち側”なのだ。

なぜかはわからないけど、優しくてきれいで勇敢なプリンセスにはなれないと、幼少期から思っていた。

自分は、いじわるで卑屈で醜い、誰からも愛されない存在なのだ。

かなしいけど事実だし、幼少期の頃からあっち側に行けないわたしは、24歳になってもあっち側に行けない。