卒業宣言

もともと人との距離感がすこしおかしくて、仲のいい男友達程度だったら、正直なにをされたところで不快感はなかった。

高校の頃いつメンだった男とは、添い寝して寝ていたし(本当にそれで何もなかった)

大学に入っても、宅飲みをして男友達の家で泊まって一緒に寝ることだって少なくなかった。

恋愛には疎くて、処女同然のわたしが一人暮らしを始めてから、皆さんもご存じの通りセックスハプニングがとても増えた。

大学時代に一人暮らしじゃなくて本当によかったと心の底から思う。

理由はわからないけど、男性にとって自分の家に招いた女と、招かれたという立場では、強気度が違うらしい。

いわゆる非モテ街道を進んできた女の悲しい性なのか、身体だけだとわかっていつつも求められると嬉しくなってしまい、簡単に身体を許してしまう。

1人暮らしを始めて、セックスハプニングが数回起きてから、このままではまずいと思いつつもうれしい気持ちに歯止めが効かず、やめられない自分にひとつの制限をつけた。

それは、今部屋にあるコンドームがすべてなくなったら誰彼構わず部屋に呼びセックスをするのをやめようということだ。

部屋にあるコンドームはひと箱。彼氏がいる時に数個使った程度で、ほとんど残っていた。

それくらい遊べば、気が済むだろう。ビッチが開花したわたしよ。

それに、コンドームさえなければセックスまで持ち込まれない自信がわたしにはあった。

当時大好きだった彼氏に、生でしようと言われたときは蹴って帰ったほどだ。

だから大丈夫。大好きな人とできないことが好きじゃない人とできるはずがない。

それに気づいたけど、恋愛と一緒で、セックスもやるかな、やらないかな、なんて過程までが楽しいのであって、終わってしまったらそれで楽しみはなくなってしまう。

あと、ちんちんストックがあることは非常に精神衛生上よい気がする。セックスしたいな、なんて時に呼び出して、最後までしないのがいちばんおいしいどこ取りなのかもしれない。

目標であったコンドームひと箱を全部違う男で使い終わったので、わたしはビッチを卒業することとする。