差別が生まれる瞬間
大好きなアーティストのライブに仕事の予定で行けない予定だったんです。
コロナウイルスがはやったおかげで、ここ1カ月の仕事の予定が八割型なくなって、そのライブに行けることになったと思いきや、ライブが中止になってしまいました。
ちまたでのはやり病。すんごい大騒ぎですよね。
わたしは若者なので、重篤化する気はしなくて、正直そこまで恐れてないし、マスクもトイレットペーパーの不足も、ストックが普段通りにあれば、1人暮らしのわたしには十分。
仕事柄、自分が発症することより、気付かず罹患し、菌をまき散らすのが一番怖いです。
数値だけを見れば、インフルエンザよりもよっぽど危険性の低いウイルスだともいう。
ただ、ワクチンや特効薬が無いことで、これだけ恐れられているのではないでしょうか。
自分がコロナウイルスにかかることは正直怖くないです。怖くはないけど、純粋に体調不良になるのはふつうにいやです。
最近では、アジア人を見るとコロナと蔑称することもあるそうで、電車やバスの中で咳やくしゃみをすると睨まれる、なんてこともあるそうです。
花粉症の季節も相まって、マスクがないのからただでさえしんどいのに、更に睨まれるなんて溜まったもんじゃないーーなんて方も多いと聞きました。
なぜコロナウイルスが流行っている昨今、ここまで敏感になっているのか。
ふと考えてみました。
例えばわたしは、アーティストのライブが中止にならなければ、当たり前のようにお休みを取って、東京に向かったと思います。
そこでコロナウイルスに罹ったとします。
2週間の休業を経て、仕事に復帰します。
うちの会社、あんまり空気良くないので、たぶんうわさがうわさを呼んで、何言われるかわかったもんじゃないです。
逆も考えてみました。毎日机を合わせて仕事をしている先輩がコロナウイルス罹ったら。
2週間の休業を経て出勤してくる先輩、正直先輩が出勤してくる時、マスクすると思います。先輩がコロナウイルスだって知ったら秒で病院に行く(ギャグじゃないよ)と思います。
めちゃくちゃ手洗いうがいして、先輩が触ったであろう場所の殺菌をしまくると思います。
それはたぶん、2週間たって完治して出勤してからも変わらない気がします。
「本当に大丈夫?」「まだ潜伏期間なんじゃないの?」「何考えてるんだろう」
先輩にはめちゃくちゃお世話になってます。本当に。でもそう思ってしまって、身体接触はおろか、先輩から渡されるメモ用紙なんかも、びくびくしながら触って、こっそり手の消毒をこまめにすると思います。
それ、悪意がなくても本人、傷つきますよね。
病院でしっかり完治したって言われて、仕事にも出てきていいよって言われて、2週間も休んでしまったことを申し訳なく思いながら手土産持って仕事に出てきたら、表上は心配してくれるけどバイキン扱い。
あれ、これ差別のはじまりじゃね?
でも別にわたしも差別しようと思って手洗いうがいしたりするわけじゃないと思うんです。
相手が職場の同僚という立場だからまだしも、例えばまだ日本にコロナが上陸していなくて……となった時に在日外国人を見たら、すこしびくびくすると思います。
その人が在日外国人なんて一目でわからないから。はたからみればただの外国人だし、もしかしたらコロナウイルスを持っているかもしれない。
こわい。
あ、こわいって差別がはじまる感情だったんだね。